あの頃のぼくたちは

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「やっぱ心配だな…」 「何がですか」 「蒼兄だよ、2日も寝てないのにバイトなんかして…」 「いつものことですよ」 確かに黄右の言う通り蒼兄は寝ないことがよくあった でも今回はいつもと違くて… 「2日だぞ!?2日も寝てないなんて今までなかったじゃねーか」 「しーくんまで功ちゃんみたいなこと言わないでくださいよ」 黄右は一足先に部屋を出ていった 俺はただ蒼兄が心配なだけだし… 黄右は蒼兄の事心配じゃないのかよ… 一人で考えても仕方ない 俺も部屋を出て階段を降りるとさっきまで朝食をとっていた蒼兄がいなかった 「功くん、蒼兄は?」 「蒼くんならバイト行っちゃった…」 功くんは寂しそうな顔をして俯いていた 「功くん、なんでそんな顔してんだよ…」 「だって心配なんだもん…2日も寝てない人がバイトなんか行ったら倒れちゃう…目の下に隅できてたし…」 俺より心配する功くん 母親みたい… 「俺…行ってくるは」 しょんぼりする功くんにそう告げて俺は学校にむかった
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