ヘクト地方ポール雪原

10/13
前へ
/74ページ
次へ
『ここは孤児院なんだよ』 「協会じゃないんですか?」 『ああ、私がもう少し若かったころ協会に居てね。ルーシはその時に引き取った子だから、ずっと私のことを神父と呼ぶんだよ』 「そうなんですか……」 『……。君はオルリナの民では無いのかね?』 まただ。オルリナオルリナってどこの話なんだろう。知らないことまで夢に出てくるものだろうか。 首を横に振れば、エル神父はそうかと息を吐いた。 ガッカリされたのか。それに似た雰囲気にオレは居たたまれなくなる。 『ああ、すまないね。君も疲れただろう。今日はよくおやすみ』 「ありがとうございます」 なんだかオルリナについて聞きにくくなってしまった。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加