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「うーん、知らない」 そもそも絵とかそんなに興味ないし、 俺の仕事には全く関わりのない分野だし 「えー、愁ちゃんが知らないなんて珍しい。すっごい綺麗な絵をかく人なんだよねー」 若葉はいつの間にか勝手に雑誌をめくっていた。 確かに… とてつもなく綺麗な絵だ… 雑誌を軽く見ながら、俺もそっと感じていた。 「…今度、その人と取引しに行こうとおもってさ」 「取引?」 「まあ、次回の企画ってとこ」 淡々と話す俺に、とんでもないと、若葉は手をふった。 「むりだよ、この画家さん、取材NGの、仕事の話NGだから」 「…NG?」 「うん、今までもさ、いろんな企業や局が彼に仕事の話を持ちかけたらしいんだけどさ、断られたんだってさ」 ここでようやく、社長の言葉の意味を理解した。 にしても… 困ったな。 NGじゃ…。 「そっか。んでも、取りあえず会ってみるよ。」 仕事の話はゆっくりと進めていけばいい。
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