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俺は早速パソコンを開いて、検索を始める。 いつまでも動こうとしない若葉に声をかけた。 「…いつまでいんの?」 「え?あっ、迷惑だったよね、ごめんごめん」 若葉は少し寂しそうな顔をして、自分の席へ戻っていった。 若葉とはちょっとした仕事仲間。 一応彼は部下なんだけど…。上司に対して敬語は使わないし、誰とでも仲良くなれるやつだ。 なんて、戻っていった若葉をチラリとみながら、俺はマウスを握りしめた。 大谷蒼… 彼を絶賛するような記事がたくさん出てきた。 が、彼に関する情報は何ひとつない。 これでは彼に会いたくても…会えない。 俺は頭を悩ませ、再び考え込んでしまった。 カチカチ… なんとなくインターネットに掲示された絵を見ていく。 本当に綺麗… 「…あ」 気づいた… この人、海の絵多くないか? ってことは… 俺は鞄を片手に急いで席から立ち上がり、会社を出た。 .
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