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「すみません、取りあえず海行ってください」 俺は勢いよくタクシーに乗り込み、少し息切れしながらも運転手に話しかける。 「え…海ですか?わ、分かりました」 運転手は大ざっぱすぎる指定に、戸惑うように了解した。 タクシーが動き出し、俺は一呼吸した。 海…か。 広いよな… 思いつきで乗り込んだのはいいんだけど、彼を見つける自信は全くなかった。 「…海ですが……」 砂浜の近くにタクシーは止まった。 戸惑うように後ろを向いた運転手に、お金を渡す。 「ありがとうございました」 俺は得意の営業スマイルをし、タクシーからおりた。 .
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