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自分の席に戻って、さっそく俺は手にした雑誌を広げた。 心はすっかり躍っていた。 社長だ… この企画を成功させれば、俺はついに…!!! 「あ、愁ちゃんそれ…」 目をまん丸くした若葉が、 よいしょ、とイスを運んできて、俺の隣に座った。 「…若葉?」 いきなり声かけてきたと思えば、雑誌をジッと見つめたまま動かない若葉。 「愁ちゃんこれ、どうしたの?」 「え?いや、社長から借りてて…」 え?え? な、なに!? 相変わらず驚いた表情のままの若葉に、俺は困惑した。 「愁ちゃん知らないの?これ、幻の雑誌。」 「ま、幻!?」 ってなんだよ…? 「そう、幻なの。今じゃ売ってなくてさ。」 欲しかったのになぁーって背伸びする若葉に、俺は慌てて声をかけた。 「えっ?どういう意味?」 「あれ?もしかして知らないの?」 俺はコクリと頷いた。 「今影で話題沸騰の画家さん、大谷蒼だよ!!」 大谷… 蒼? 初めて聞いた名前に、なぜかドキリとした .
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