だいすきを君に。

すれ違い

「だから違うってば！ねぇ！」

「…今日先帰って、」

「りょうすけ！」

ああ…、行っちゃった。

こんなことになったのは、１５分前。

図書室に借りた本を返し、涼介が待っている教室へ向かったとき。

階段でたまたま会った龍太郎。

クラスが離れてしまい久しぶりに会ったので、長々と話してしまった。

それだけだったら別に、涼介だって怒らないだろう。

…けど、だけど。

龍太郎の顔が急に真剣になって、

どうしたの？なんて聞く隙がなく龍太郎に抱きしめられた。

もちろん、抵抗はした。

だって僕が好きなのは、涼介だもん。