あめ

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『雨は嫌だね…、』 『ほら濡れちゃうよ、もっとこっちおいで』 『ありがと…。』 ───────……、 「あ…雨、」 急に曇った空にポツ、ポツ、と降りだした雨。 僕はただ、傘もささずに手を翳していた。 ちょっぴり女の子っぽい僕の手に、雫が落ちては流れてく。 曇ってるせい? 周りがモノクロに見えるの。 でも、龍太郎が隣に居てくれたあの頃は、モノクロになんか感じなかった。 …逆に、カラフルにさえも感じたんだ。 ねぇ…、なんで?
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