あめ

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龍太郎が居たあの頃は、陽射しが眩しくて 僕はただ見つめていたんだ。 きっとその眩しい陽射しは、龍太郎。 眩しい陽射しなのに、目を細めずにただ見つめて居たから… いつの間にか、影を見えなくしていた。 龍太郎の、影を。 「僕がバカだった…っ」 ねぇ、僕がどんな強さで龍太郎の手を握りしめたなら…他の誰かの存在なんて消えちゃったのかな? 僕が…影もちゃんと見てれば、龍太郎だって僕を見てくれた? 『──ごめん、好きな人出来た。』 確かにあの時龍太郎は言った。少し涙も流して…。 初めてだったの、 こんなことを言われたのも…龍太郎の涙を見たのも、誰かからこんなに愛されたのも…。 別れたあの日からもずっと、龍太郎を忘れたことはない。 忘れられないよ、絶対。
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