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「王」
…………
教室に沈黙が流れる。
「緊急……事態?」晃大が呟く。
「……
マズい!!!
お前ら来るぞ!!!
『神の文字』だ!!」ニノが叫ぶ。
「「「う、うわぁああああ!!!」」」
「騒ぐなぁ!!!」
普段声を荒げない飛鳥が叫ぶ。
騒ぎ声は一瞬で消えた。
「落ち着け。一番怖いのは、混乱なんだ。
混乱してメリットなんか一つも無い。
前に話した通り一組全員で動くぞ。
安心しろ。【王】のデータならある、
『解』」飛鳥がデータを展開させる。
「でてくる文字は、『王』一体。【臣】二体。[兵]が十体。
[兵]の強さは問題じゃない。さっきの〈魚〉の方が強い位だ。
問題は【臣】と『王』だ。
こいつらはそれぞれ人型をしている。
とんでもないスピードと怪力を持っていて、視界の範囲内で受けた傷は再生される」
データを閉じると飛鳥は少し考え込み、口を開いた。
「作戦を話すぞ。
『臣』にはそれぞれ、俺とニノ、海里と芽依の二人ずつで闘おう。
【王】は……晃大、優奈。
行けるか?」
「俺は大丈夫だけど、優奈は……」
「優奈の『無』は……てか打ち消しの文字は全部なんだけどな、
唯一『神の文字』の効力を打ち消せるんだ。
優奈はさっき一発打ったから残り一発。
晃大はそれを当てるサポートをして欲しい」
「……そういう事か……
優奈、行けるか?」
「私、やるよ。
晃大がいるなら心強い」
「よし、で他の奴らは『兵』を倒し次第、援護にきて欲しい。
できるか?」
不安そうに、しかし覚悟を決めた顔で頷く一同。
「よし、行こう。
絶対全員で生き残るぞ!!」
「「「おぉ!!!」」」
飛鳥のかけ声と共に、一組の生徒は中庭に出ていった。
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