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中庭に出る。
恐ろしい位、静かだった。
「……来るぞ……」ニノが呟く。
ズズズズ……
地面に浮かぶ、「王」と二つの「臣」の文字。
一同が身構える。
まず出てきたのは二体の「臣」。
一体は髪を左流しにしており端正な顔立ちで、黒のスーツ、ズボン、ネクタイをつけている。
もう一体は髪を右流しにしているだけで、他の特徴は同じだった。
最後に出てきたのは椅子に座って脚を組んでいる男。
「臣」と同じ服装で、美青年。首元まである髪にはゆるいパーマがかかっており、耳に黒いピアスをしている。
「王」だ。
パチン
「王」がおもむろに指を鳴らす。
ズズズズ……
地面から「兵」の文字が浮かぶ。
「来いよ」
「王」が薄笑いを浮かべ、手招きをする。
「打ち合わせ通りにいくぞ」飛鳥が言う。
「兵」が現れた。上半身が人間、下半身が馬の人馬だ。
「「「オオオオッ!!」」」
十体の「兵」が走ってくる。
「文字狩り」が始まった。
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