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入学式、そして悪夢…
神島は見た目だけでなく、中もでかかった。
特に今いる体育館。並の体育館のゆうに2倍はあるのではないか。
今体育館にいる理由は一つ。
そう、入学式だ。
長ったらしい校長の話を聞かなくてはなら
ない。そう思うだけで晃大の気分は80%
ダウンだった。後ろの方にいる優奈を見る
と……
「……スゥ……」寝ていた。
(強者だなあいつ……)
ゴトン…
マイクをスタンドから外す音。
「あー、入ってる?入ってるね?
はい、入学おめでとう。校長の常盤(とき
わ)です」
なんと間の抜けた声だろう。常盤は、その
声に見合ったなんともやる気の感じられない、ボサボサ頭の長身の男だった。
「みんな長ったらしい話嫌いだろうからね…
手短にするね。
楽しんでくれ。以上」
そう言って常盤は去っていった。
(な、なんて生徒の気持ちがわかる校長なんだ)
晃大は軽い感動を覚えていた。
そして校歌を歌い、入学式は終了。
生徒達は、自分達のクラスに入っていった。
晃大は1年1組だった。
自分の机につくと、辺りを見回す。
(う……みんな頭良さそうだなオイ……お)
教室の隅に、机につっぷして寝ている優奈を見つけた。どうやら同じクラスらしい。
(あいつの睡眠時間はどの位なんだろう)
夏休みに出されるであろう研究レポートのテーマが見えてきた。
そんなことを考えていると先生と思われ
る、スーツを着た女が入ってきた。
「全員席に着け!私語は慎め!」
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