第1章~鉱山要塞 チグリチア~

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「なあ、お前」 かなり偉そうな聞き方。しかしハンモックの上の男は気持ちよさそうに寝ている。 「おい、お前」 「あ?」 機嫌悪そうに起きる。 目を擦りながら眉間にしわを作る。 「この辺に落武者が来なかったか?」 「知るか」 「隠してもためにならんぞ?」 脅すように聞く。 「知らねーよ、さっきまで寝てたんだから」 「嘘をつくな」 「いや、嘘じゃないよ。あ、ちみたち、気をつけなよ」 彼の機嫌がよくなりだした。 相手を小馬鹿にした口調になる。 「あ?なにが」 「だって」 「ウヲォー」 突如山に響き渡る人外の声。
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