フ○ーザ復活! その時、アイツは!

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秀「すんませーん」 寂れた商店街の片隅にポツンと佇む 祭りの出店にあるような簡易的に造られたクレープ屋 秀一はよく学校の帰りにここで買い食いをしていた。 オッサン「へい、らっしゃい」 まるで居酒屋に入ったときに聞こえてくるような返事の後、顔を出したのは頭にタオルを巻いた太っている中年のオッサンだった。 まるで場違いな雰囲気の男に秀一もはじめて店を訪れたときは本気で間違えたかと思い謝罪したくらいだ 秀「クレープ二つ、いつもので」 オッサン「おうお前かちょっと待っとけ」 オッサンはニヤリと笑みを浮かべた後、慣れた感じでクレープを作りだす。 オッサン「最近、顔出さなかったな」 秀「ああ、最近テストがあってさ」 このオッサンとも長い付き合いだ いつしか気軽に話せる仲になっていた オッサン「ほい お待たせ」 秀「どうも」 財布から金を取りだし、ばら撒いてやる オッサンから両手にクレープを受け取る オッサン「おととい来やがれ!」 秀「二度と来るか」 これが俺とおっさんの日課とも呼べるコミュニケーションだった 秀「買って来たぞ」 友人「サンキュー、それじゃ行くか」 待ちくたびれたと云わんばかりなに俺からクレープを奪い取った......ぬぬぬ解せぬ 秀「はむはむはむはむ」 苛立ちを込めてクレープにかぶりいた瞬間に広がる生クリームのまろやかな味わい 畜生、うめぇ 友人「おい赤だぞ」 一心不乱にクレープを食べていると友人に袖を引っ張られる 赤く点灯している横断歩道の前で立ち止まる 秀「噛んだ瞬間口に広がるこの甘みうまうま」 友人「いつまで食ってんだよ、青になったから行くぞ」 歩き出した友人がこちらを振り返った この時だった 横断歩道を渡ろうと足を踏み出した瞬間 一台の信号無視して来た車が目の前に迫ってきて・・・・・ 俺は 横断歩道の手前で友人が轢かれるのを見てたんだったな......あれはグロかった うん、結局思い出してみてもなぜここにいるのかは分からないな。 ?「それはわしが教えてやろう」 秀「あ、あんたは一体!?」
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