3082人が本棚に入れています
本棚に追加
「よし、お前の名前は『アルエ』だ」
「アルエ……?」
因みにこの名前、俺が昔書いた小説の登場人物の名前だ。こいつと妙にイメージが重なったもんだからこの名前にした。気に入ってもらえるだろうか。
猫耳は俯いて考える素振りを見せ、
「……やけに西洋風な名前だな。私は化け猫だぞ」
「なら『阿瑠柄』にするか?」
「何だそれは!? 読みはアルエじゃないか! と言うか読みにくっ!」
良いツッコミだ。将来有望だな。
「……まぁ、それでも良い名。だと思う……。私には勿体無いな」
「優柔不断か。要るか要らないで答えろ」
「悩むくらいいいだろう…。じゃあ、ありがたく貰おうかな。その、アルエという名を」
猫耳…。もといアルエは控えめに微笑みながら貰ってくれた。俺もつられて笑いながら、
「おう、貰えるもんはありがたく貰っとけ。隙あらば横から掻っ攫うくらいの気持ちで」
「いや、それは駄目だろう」
素で返された。こいつ、中々やるな…!
最初のコメントを投稿しよう!