第一章 ~猫はそうそう懐かない~

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「よし、お前の名前は『アルエ』だ」 「アルエ……?」 因みにこの名前、俺が昔書いた小説の登場人物の名前だ。こいつと妙にイメージが重なったもんだからこの名前にした。気に入ってもらえるだろうか。 猫耳は俯いて考える素振りを見せ、 「……やけに西洋風な名前だな。私は化け猫だぞ」 「なら『阿瑠柄』にするか?」 「何だそれは!? 読みはアルエじゃないか! と言うか読みにくっ!」 良いツッコミだ。将来有望だな。 「……まぁ、それでも良い名。だと思う……。私には勿体無いな」 「優柔不断か。要るか要らないで答えろ」 「悩むくらいいいだろう…。じゃあ、ありがたく貰おうかな。その、アルエという名を」 猫耳…。もといアルエは控えめに微笑みながら貰ってくれた。俺もつられて笑いながら、 「おう、貰えるもんはありがたく貰っとけ。隙あらば横から掻っ攫うくらいの気持ちで」 「いや、それは駄目だろう」 素で返された。こいつ、中々やるな…!
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