第一章 ~猫はそうそう懐かない~

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そんなことをしているとだいぶ時間が経ってしまった。そろそろ帰らないと。そう思ったときに、 ぎゅぐるるる…… こんな音が聞こえてきた。 無言で隣を見ると、耳を真っ赤にして顔を背けるアルエ。」 「……さっき飴食ったろ…」 「うっ、うるさい! ほんの少しだっただろうが! 寧ろ少なすぎて逆に腹が空いてしまったというか……!」 「わーったよ。と言うかあんな飴を奪おうとするぐらい腹が減ってるって、普段何食ってんだよ」 「えーと……。猫まんま? と言うのかアレは?」 「何故俺に訊く。もっと食えよ」 「それしかないから仕方がないだろう」 なんだかよく分からんが、食うものに困っているのか? と思い、こう切り出してみた。
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