第一章 ~猫はそうそう懐かない~

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俺こと九流崎創児は、いたって普通な高校生である。異論は認めない。ちょっとばかり非日常なものが好きなだと最近思い出しただけの能力者というやつだ。うん、今更ながらこういうのを客観的に文字として見たりしたら身悶えするんだろうな。 そんな俺はたまに水曜日の四時限目に学校を抜け出す。一ヶ月に三回か二回くらいの頻度で。 理由はその時間の教科が現代国語で、正直勉強しなくても点数が取れるのと、教科担当の先公、名前は伊達……なんちゃらがムカつくからだ。やたらと俺や、俺の周りいる河崎たちを目の敵にしてくるのである。 特に俺に対しての風当たりが強く、少し机に突っ伏すとすかさず俺に問題をぶつけてくる。いるよねこんな先公。 だから俺はすでに不良と呼ばれてるし、まぁいいかと思いながら水曜日の四時限目に学校を抜け出すのだ。 抜け出してどこに行くのかというと、昔見つけた小さな公園である。 その公園は細い路地を通ったところにあり見つけにくく、公園で遊ぶような年頃の子供はまずここのことを知らないだろうし、知っててもベンチとブランコしかなく、さらに狭いこの公園で遊ぶわけが無い。だからここはいつも貸し切り状態だ。サボるのにはちょうどいい。
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