第一章 ~猫はそうそう懐かない~

4/14

3082人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
―――――― ――― 「つまり何か? お前はこのキャラメル味を奪おうとしたのか?」 「……甘い匂いだ」 猫耳は俺のほうを一瞥すらせずよだれを垂らしている。やめい。 「……まぁいい。そんなに食いたいならやるよ。ほら」 「い、いいのか!? 貰っても!?」 「いいっつってんだろ。さっさと食え」 「おお…! ありがとうございます…!」 やたら仰々しく礼を述べ、アメを咥える猫耳。 「美味い! 甘い! こんな美味しいものがあるのか…!?」 「大げさなやつだな。お前、名前は?」 そう訊きながら、まじまじと猫耳を見つめてみる。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3082人が本棚に入れています
本棚に追加