第一章 ~猫はそうそう懐かない~

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服は簡素な白いワンピース。そしてまた白い長い髪。体格は割とでかい。猫耳がしゃがみ込んでいる所為で分かりにくいが、おそらく身長は170cmぐらいはあるんじゃなかろうか。智夜と同じくらいか。 まぁそれはいい。俺的に身長は小さめに限ると思うが、それは俺個人の考えとしてこいつの成長具合に何ら影響を与えたりは出来ない。それよりも目につくのものがある。猫耳と尻尾だ。 どうやらこの猫耳と尻尾は高性能らしく、時折ピコピコ動いている。猫耳は上にピンと立っていて、尻尾は先が二股に分かれている。初めて見た。 「……名前は無い。昔はいろいろあったが、忘れた」 「は?」 猫耳を観察していたら、よく分からない答えが返ってきた。どういう意味だ? 「……そのままの意味だ。ご主人に名前を貰えなかった」 「…………え? 新手のメイドさん? 猫耳メイド!? 金の匂いがしやがるぜ……!」 「……妄想逞しいな」 引きツッコミをされてしまった。畜生。
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