-ａｇａｉｎ-

人は出会うべくして出会う。

またハズレか…。

夜の繁華街をとぼとぼと歩きながら、青年――中原翼(なかはらつばさ)は、ため息を吐く。

去年、無事に大学を卒業したのはいいが、翼はまだ就職先が見つかっていなかった。

不景気だなぁ…。

つくづくそれを実感する。

有名な大学を卒業していても、一年ダブっているだけで就職が難しい。

最近になって、持病が今までより恨めしく思えてきた。

少し走っただけで息苦しくなり、まわりの人間と同じように運動すれば、次の日に熱が出る。

契約をとるために走り回る仕事はともかく、パソコンを使ってデータ処理をする仕事であれば、ハンディキャップにはならないはずなのに、それすらも許されない。