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プロローグ
「何故俺の言う事が聞けない…世界を滅ぼせ」
血だらけで息も絶え絶えに横たわり、漆黒のローブと暗緑色の鎧を着込んでいるものがいる。
人間ではない。
血のように赤いマグマのように全てを燃やしてしまえそうな不気味な輝きを放つ眼をした魔界の王だ。
「世界を滅ぼせ」と言い放ったのは他でもない魔王を倒せし勇者であった…。
「な、何故…
お前の方こそ何故滅ぼせなどと…
う、うぅ…一体何故…
ピースキングダムとの同盟を守り、義理も欠かした事はなかったはずなのに…何故…」
少し戸惑った様子を見せながら魔王は息を漏らすようなかすれた低い声で問いかけた
人間界にいくつか存在する国家の一つ、ピースキングダム。
同盟を結び、長きにわたり平和を守ってきた魔王にとって、何故ピースキングダムの勇者にこんな仕打ちをうけなければならないのか…という事が解せなかった。
「世界征服を企み、勇者に倒され、他国の侵略から守るという約束でピースキングダムと同盟を結んだ…三代も前か…
フ…フフ…アハハハハハハハハハハッ!」
不敵な歪んだ笑顔を浮かべながら魔王に語りかける。
そして、哄笑。
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