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に………さ……
に……さい……
にげ…さい…
「にげなさい!早く!」
周りは火に囲まれていて、ビル等が倒壊したため瓦礫が辺りに散乱している。そして母さんがその瓦礫の下敷きになっている
「母さん!母さん!」
俺は心配で大きな声を母さんに掛けるが母さんは早く逃げなさいとしか言ってくれない。
「イクス!もう行くしかないのよ!」
4歳年上の姉が俺に手を引いて逃げるように促すが置いていくことなんて出来ない…
「早く行きなさい!」
母さんが俺達の身を心配してより大きな声で逃げるように言う。
「嫌だ嫌だ母さん…母さん!死んじゃ嫌だよ!」
「早くしないと私達まで火に巻き込まれるわよ!」
「母さん!」
俺のせいだ、俺に力が無いせいで母さんを助けられないんだ…
悔しい、悔しい!!
「いいのよ、お父さんをよろしくね…」
母さんはそう言って最後に笑っていた。
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