日常から非日常へ

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つい、最近といっても十年程前、この授業が始まった。 十年程前までは義務教育は小学校、中学校の九年間だった。 それがどういう訳か、高校の三年間も義務教育になってしまった。 必ず、高校に行かなければならない。だからこの授業からは逃げれない。 何年も前に施行されたゆとり教育というものがあった。 生徒の自主性に任せ、土、日曜祝日は休み。 授業自体も教科書に載っている内容の半分もやらない。決められた項目のみが教えられる。 そんな制度だった。 しかし、失敗した。自主性を重んじた結果、何も考えず、指示されるがままに動く。 それが自主性だと勘違いしてしまったのだ。 自分で考えない、指示されるの待つ。その楽な考え方が自分にとっての自主性。 ゆとり教育とはなかなかいいネーミングセンスだ。まさにゆとり教育!ゆとり万歳!そんな思考が溢れていた。
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