日常から非日常へ

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「二人とも知らねぇーのかよ。ゴットアリスから出るつって、マニアの間じゃちょっと名のしれた曰く付きのゲーム会社なんだぜ?」 由宇が自信げに説明する。 「あぁーボクその会社知ってるで」 光司が思い出したかのように答えた。 「ゴットアリス知ってるなんて光司、かなりマニアじゃん」 「そんなことあらへんよ、兄貴がハマってしもうたんよ」 由宇と光司の話を聞く悠紀は少し考え込むような表情で二人の会話を聞いていた。 「光司、兄貴なんて居たんだ」 由宇が興味津々に聞いて来た。 「そやで、三歳離れた兄貴なんやけど、引きこもりなんよ。でな、深夜にゲームショップに買い物に行った時に、ゴットアリスの星空の涙ってゆーゲームソフト買って来てからめっちゃハマりよってご飯も食べんとずっとやってんねん」 心配そうな表情で話す光司。 「引きこもりの割には詳しいなぁ、兄貴のこと」 由宇が不思議そうに聞き返した。 「兄貴なぁ、ボクとはめっちゃ喋りよるんよ。両親とは一切口聞かんと、ボクにはなんでも話してくれんねん」 光司は照れ臭そうに由宇に話した。 黙って聞いていた悠紀が口を開いた。 「里見、そのゴットアリスってゲーム会社の曰く付きってなんなんだよ?」 「ん?俺もネットの噂程度でしか知らねぇーんだけど、そのゴットアリスっ会社、正式には神の少女って書いてゴットアリスって読むらしいんだけどさー。中毒性がハンパねぇんだって」 由宇が興味なさげに悠紀に説明する。
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