希望なんて無い

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「ミサ…これ見て…」 落下防止の金網にしがみついたままリナは下を見ていた。 「なにかあったの?」 「ねえ…あれってさ…」 …死体だった。 しかも …この学校指定のジャージを着ている、 …―人間は脆い。外側からも内側からも壊れやすい。―… 頭にそんな言葉がよぎる。 きっと、こんな世界を見てから頭がおかしくなってるんだろう。 「うわあああああああっ!」 階段の方から男の声が聞こえた。 「えっ!?もしかしてまだ誰かいるのかな?」 「きっとそうだよ!」 リナはそう言うと走り出した、 「ちょっと待ってよリナ!何か様子が変だよ!」 「だったら尚更助けに行かなきゃ!」 リナは正義感がとても強い、小学校の頃も男子の喧嘩を止めに入ったくらいだ。 声の聞こえる方へ階段を一気に駆け下りた、 「!?」
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