夢なんかじゃない

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夏休み、私は部活の帰りだった。 空は不思議なほど青くて、雲一つ無い。 ―きれいな空だな… 心から感じた。 「なーにやってんの、ミサ。」 後ろから明るい声が聞こえた。 「りーなー!…なんで後ろ姿で分かったの?」 「だって、ミサ・・・髪留めが私と同じだもん(笑)」 リナは小学校からの幼なじみで家が近く、私達はまるで姉妹のような関係だった。 「ところで何してたの?」 「え~っと、今日の空はきれいだなーって」 「いつもと変わらない気がするんですけども。」 私は人と話すのが苦手だった、いつも、会話がかみ合わず、受け答えが苦手。 だけど、中学校2年の時、リサはそんなことも気にせず会話してくれた。 それが嬉しかったのを今でも鮮明に覚えている。
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