キミは誰?

13/20
前へ
/31ページ
次へ
ーガラッ 思い切り教室のドアを開く音が、クラス全体に響き渡る。 相変わらず、ボーッと外を眺めていた俺も、さすがにドアの方へ目を向ける。 ーげっ……坂下。 って、担任なんだから当たり前か。 デカイ図体に、大きな声。 眼鏡をかけた五十代ぐらいのおっさん。 見た目迫力あるし、先生よりも他にピッタリ合った道があったんじゃねーの?って言いたくなる。 「ほらーっ、席に着けよー。」 坂下が出席簿を、教卓にバンバンと叩きつけながらクラス中を見渡す。 ーと同時に、教科書で顔を隠そうとする、俺とバッチリ目が合った。 「おい、加賀美。隠れようとしても無駄だ。放課後必ず俺の所に来い。」 「へーい。」 俺は開いたままの教科書に、今度こそ顔を埋めた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加