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「ユウー!太一君!こっち、こっち。この辺で食べようよ!」
俺と太一の少し先を足早に走る女子数名が、 振り向きながら手招きする。
中庭の中央にある、ズシッと構えた大きな桜の木の下で、俺達は輪になって腰を下ろす。
そこから少し離れた場所で、他にも数組のグループが、既に昼食を楽しんでいた。
「ユウの為に頑張って作ってきたんだぁ。沢山食べてね。」
目の前に可愛いネコのキャラクターの弁当箱が差し出される。
「私も私も!ユウの為にサンドイッチ作ってきたよ!太一君も食べてね!」
先ほどの弁当箱の上に、これまた可愛いクマのキャラクターの巾着袋。
それから、デザート作っただの、何だの、色んな物が俺と太一の前に差し出される。
「…さ、サンキュー。………っつーか、これ本当にお前らが作ったの?実はママさんが作ったとかじゃねーの?」
「………」
俺のセリフに一瞬凍りつく女子軍団。
………やっぱりね。
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