113人が本棚に入れています
本棚に追加
午後の気だるさから、いつもの様に俺は机に伏せていた。
高校二年生。
高校生活の中で一番気が抜ける一年間だ。
と、思ってるのは俺だけか?
「ユウーっ!!」
遠くで俺を呼ぶ声が聞こえる。
それは段々近づいてきて、俺のすぐ側までやってきた。
「ユウっ!おっお前、隣のクラスの朱美とヤッたってホント?」
前の座席にまたがりながら、興味津々の面持ちで太一が話し掛けてくる。
声は若干控えめで。
「あー……あぁ、向こうがモーション掛けて誘ってくるし、俺もその気になったから、そぅなっただけ。」
俺は飲みかけの紙パックのコーヒーを飲みながら、太一の質問にサラッと答える。
俺の気の無い返事に「やっぱりね」と言わんばかりの表情で、太一は大きな溜め息をついた。
「ハァーっ…。朱美、お前と付き合いだしたとまで言いふらしてるぞ。」
「ブーッッ!!」
俺は口に含んだコーヒーを思いっきり太一目がけて吹き出した。
最初のコメントを投稿しよう!