キミは誰?

8/20
前へ
/31ページ
次へ
ハッと思い出し、俺は叩かれた頬に手を当てる。 「…そういえば、ぶたれたんだった。」 みるみるうちに先ほどの出来事が脳裏を過り、叩かれた頬がジンジンと疼きだす。 俺は頬を擦りながら、隣で溜め息を漏らす太一に視線を移す。 「………そういえば太一、影山歩って知ってる?」 俺の問いかけに、太一もこちらに視線を向ける。 「影山歩って、隣のクラスのだろ?」 「……隣?」 「お前知らねぇの?有名じゃん?誰とも話さず物静かで、たまにフラーッと居なくなるみたいだし。」 さっきの女と全く同じ事を言っている。 「…そうなんだ。全く知らなかった。」 俺は今だに頬を擦りながら、屋上のフェンスに身体を預けた。 「まぁ、お前は女に不自由してねぇから、眼中に無かったのかも。あのコ、変な子でも有名だけど、外見でもまぁまぁ目立ってんだよな。」 「外見?」 隣で太一が同じようにフェンスに身体を預ける。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加