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ハッと思い出し、俺は叩かれた頬に手を当てる。
「…そういえば、ぶたれたんだった。」
みるみるうちに先ほどの出来事が脳裏を過り、叩かれた頬がジンジンと疼きだす。
俺は頬を擦りながら、隣で溜め息を漏らす太一に視線を移す。
「………そういえば太一、影山歩って知ってる?」
俺の問いかけに、太一もこちらに視線を向ける。
「影山歩って、隣のクラスのだろ?」
「……隣?」
「お前知らねぇの?有名じゃん?誰とも話さず物静かで、たまにフラーッと居なくなるみたいだし。」
さっきの女と全く同じ事を言っている。
「…そうなんだ。全く知らなかった。」
俺は今だに頬を擦りながら、屋上のフェンスに身体を預けた。
「まぁ、お前は女に不自由してねぇから、眼中に無かったのかも。あのコ、変な子でも有名だけど、外見でもまぁまぁ目立ってんだよな。」
「外見?」
隣で太一が同じようにフェンスに身体を預ける。
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