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「そっ、外見。結構可愛いんだ、これが。野郎どもの間じゃ結構可愛いって話してる奴等も割りといるんだ。」
可愛い?
すっげぇ睨んでて怖かったけど。
「でも、まぁあんな感じだし、誰も手ぇ出しにくいって言うか、近寄りがたいって言うか…。」
太一は鼻の頭をポリポリ掻きながら遠くを見る目で影山歩の話を続ける。
「…で?お前も若干気になる存在ってこと?」
チラッと横目で太一を見る。
「はっ?!…っえっ?!あのっ……。」
「ぶっ。」
あまりの太一の慌てぶりに俺は腹を抱えて爆笑した。
「…いい加減、笑うの止めろよ。」
太一がふて腐れ気味に俺に軽く蹴りを入れる。
「分かった分かった。フッ。」
「まだ、笑ってんじゃん。それより、お前がサボってたのバレてたぞ。担任の坂下が鬼の形相で探してたし。」
「げぇ。マジ?」
俺は頭を押さえながら太一と屋上のドアを開けた。
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