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「あれ?崎村くんは!?
副部長のくせに帰ったんじゃないでしょうね!」
二次会へ移動中の団体の前のほうから、瀬里奈さんの怒った声が聞こえた。
「チッ!…仕方ない。行くとするか」
そう言うと、面倒くさそうに崎村さんは立ち上がった。
私はその様子をボーッと見上げた。
「あ、そーだ。
明日の約束のことは誰にも内緒。
橋本にも言ったらダメだよ。
わかった?」
見下ろしながら、そう言った崎村さんに、
誰にも、千夏にも内緒
と、頭の中で復唱しながら、抵抗力ゼロの私はコクンと頷いた。
崎村さんは、屈託ない笑顔を見せた。
さっきまでの悪魔っぷりが嘘のよう…
「じゃあ、気をつけて帰るんだよ」
私の頭をわしゃわしゃと撫でて、崎村さんは二次会メンバーのところへ歩いていった。
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