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私は私の兄と妹を真っすぐ見つめて、話し始める。
「結ちゃん、綾ちゃん…今まで、いっぱい迷惑かけてゴメンね。
あたしはあなた達と、本当の家族になりたくて、必死にしがみついていた。
そのせいで、家族は…
あたし達は、こんなにも複雑になってしまった。
あたしは、やっと…あたしの求める居場所は、そこには無いって解った。あたしの存在は、あの家族には不要なの。
もっと早く気付けば、こんなに皆、苦しむことはなかったのに…
あたしはまだ子供だったから…ゴメンね…
あたしは今、あたしのいるべき場所を見つけた。
そこには、綾ちゃんも結ちゃんも、お母さんもお父さんもいない。それがあたしの見つけた居場所。
さよなら…結ちゃん、綾ちゃん
あたしの家族でいてくれて、今までありがとう…
これからあたしは、結ちゃんの妹でも、綾ちゃんの姉でもない。
お父さんの顔色伺ったり、部屋の片隅でお母さんに怯えるあたしも、もういないの。
だから、二人ともあたしという不要な存在に囚われないで。
あたしとあなた達の戻る居場所は、これから先、同じになることはないから」
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