チラシ裏のラクガキ

2023.12.25

『生存証明』

ああ……

目の前を真っ白に染め上げるホワイトアウト。

それは分隊を別つに十分な残酷そのものだった。

目の前の人影を追うしかないが、ただひとたび瞬きするだけでそれも見失う。

もはや隊列とは呼べない、陣形。

大声をだせば敵に見つかる、焚火や狼煙をあげれば尚の事。

すがるように吹雪の中、目の前の影を追いかける。

それが正しいと思い込むことで、何とか精神を保てた。

お前も歩んでいるんだろう？

お前も同じく、進んでいるのだろう？

ただそんな希望的観測をしながら。

この真っ白な景色を生存証明しながら歩みを進める。

白黒の足跡をつけながら、ただ。

今、生きている存在を証明するかのように。

足跡をそこに残す。