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「まさしく、馬鹿だな」
面白い暇つぶしを見つけたかのような物珍しい眼をするサタン。
そこには殺意も攻撃の意思も見受けられはしない。
「馬鹿で結構……」
グググ、と腕に力を込めて立ち上がる。
たった数日?それとも数時間、数分、数秒……。
今の自分がどれだけの未来を守れるかは分からない。
けれど……。
「瞬き一つで、世界は変わるんだよ」
俺はその先にある未来の可能性を知っている。
それを願って死んでいった騎士を知っているから。
「やっと本物の火が点いたぜ」
最高位とされる七つの帝位の中、受け継いだ称号の名は『炎帝
』
例え小さな火種だとしても、燻らせるわけにはいかない。
「だまだ足りねえけどよ」
お前を倒すには。
「でも安心しろ」
――――俺の心にある怒りの火は、まだ点いたばかりだ。
火は燃え盛り、やがて姿を変える。
すべての物体を飲み込む、”火炎”へと。
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