プロローグ

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「何で…兄さんが…ッ」 「…海斗、泣くではない。 私は、お前の泣く顔何て見たくはないぞ」 「……だって、」 「ほら―…」 …と、海斗の涙を樂輔は手で拭いてやり笑ってみせた。 「私なら、大事無い。 必ず、お前の所に生きて…帰って来る」 「うん…。 絶対だよ? 俺との約束――…」 「ああ…約束、だ」 海斗は、一生懸命、笑ってみせ樂輔を送り出す。 「―…それでは母上、海斗。行って参る」 「ええ。 気を付けて行ってくるのよ、樂輔。 海斗と2人で待っているわ」 「…うん。 兄さんの帰り、待ってるからッ!」 「(ニコッ)」 母と海斗に、笑って踵をかえす樂輔は2人を背にこう言った。 _
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