始まり

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今から10年前に… 地図から 消えた村があった。 それは尾井竹村――――― 俺が生まれてから6年間過ごした村… 俺は、そこに戻ろうと思ったとき… その村の存在は隅から隅まで消されていた。 親父やお袋には聞くことはできない、ましてや話すこともできない。 親父とお袋は東京に越してきてから1年が経った頃の大雨の日に、交通事故に巻き込まれた。 そして二人ともこの世を去った。 当時、7歳だった俺には何が起こったのか理解できなかった。 ただ、施設に入れられた。それだけだった。 それから、普通の子供と同じように小学校を卒業し、中学校に入学した。 そこで事件が起きた。 中学に入学した直後、俺は誰かに階段から落とされた。 打ち所がよかったのか、俺は無傷だった。 だが、それから1週間後、本田和也という教師が行方不明となった。 それからもいくつもの不可解な事件が起きた。 それでも、俺は無傷だった。そして、周囲の人がいなくなった。 そして、俺は不思議に思った。 自分の体と 自分の能力に… 俺は、一回見たものを忘れない能力と人並み外れた身体能力を持っている どれも人に言わせれば良いものだが、俺にはいいとは思えなかった。 俺は、この能力を使い、確かにいい思いをしているが、俺が活躍するたびに事件が起こり、人が死ぬ。 何度も何度もこんなことがあれば、さすがに嫌にならざる終えない。 自分は何者なのか? その疑問がずっと頭の中に媚りついている。 その謎を解き明かすには どうしたらいいのか 俺には分からなかった。 それから二年が経ち俺が高校一年になった。 そして、自分は何者なのか調べるために俺は故郷である尾井竹村を探すことにしたのだった。
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