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俺は自分の故郷に、俺が何者なのかという答えが見つけられると思い図書館を手当たり次第に行って尾井竹村について書かれてないか必死に探した。
だが、載っていなかった。地図にも、インターネットにも、一つも載っていなかった。
俺は昔いた場所を思い出そうとした。
けれど、一度見た物を二度と忘れない能力を持ってしても思い出せなかった。
本当にすべてを消された村だった。
それから何の情報も得られないまま1年が経過した。
そんなある夜だった。
俺は、12時に寝床に就いた。
目を閉じ上向きで寝ていると低い声が俺に話し掛けてくる。
「戻れ…あの…場所に…戻れ… 」
俺は、目を開き立ち上がろうとしたが体が動かない。声を出そうとしても
全く舌や唇の神経が反応しなかった。
「本田慶助、俺を探せ…探しだせ…」
そして
睡魔が俺を襲った。
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