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剣と剣がぶつかり、火花が散る。
目の前にいるのは人間ではない、長く尖った耳を持ち、クローバーの紋章が付いた剣と盾を持ったモンスター。
妖精の騎士、<Elfsjackknight>は続けざまに俺に盾を投げ、剣を構え突っ込んで来る。
このモンスターと戦うにあたって、使わせては行けない攻撃技がある。
1つは<騎士の誓い>、少しの間自身の能力は極限まで引き上げる自己強化技。そしてもう1つは<妖精の秘剣>、盾を投げ視界を奪い、その盾に隠れた場所から剣で防御の薄い所を攻撃する技だ。
俺は今、その妖精の秘剣を使わせてしまった。
戦いは終盤に近づいており、相手も俺も体力は既に限界に近かった。
俺は投げられた盾をかわす、そしてそこに襲いかかる剣の一撃。
しかしその剣は、俺の盾に止められた。
結局モンスターはAIにより動いている、ならそのAIを上手く誘導すれば危険な技の回避も簡単になる。
盾に防がれた奴にはその反動によりわずかながら硬直がうまれる。
俺は剣を握り直し、奴に攻撃を叩き込む。
<ダンスソード>、剣のスキルを上げると手に入るスキルの1つで、敵に複数回の攻撃を叩き込む技だ。
3発、4発、そして5発目を叩き込んだ時、奴は倒れ、そして薄くなっていき消えていった。
俺は小さく息を1つつくと指を動かしドロップアイテムを見る。
「あった……」
そこに表示されていたのは<ジャックナイトの剣>と言う武器。
この武器には特に強力な攻撃力があるわけじゃない、むしろ今の武器の方が攻撃力は高い。
だがこの武器の長所は攻撃力ではない、その補助効果に目を見張るモノがあるのだ。
「そろそろ日が暮れるな、さっさと帰るか。じゃなきゃあいつらもうるさいし。」
そう呟き、俺は街へと歩き出すのだった……
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