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俺が拠点としている街、アクロックに着いた時には既に日は落ちかけていた。
「今何時だ……?」
「制限時間5分遅刻よ。」
見つかった、一番会いたくない奴に。
俺はゆっくりと声の方に顔を向ける。
そこにいたのは綺麗な白のセミロングに弓を持った少女「ナギ」だった。
ナギには双子の妹がおり、そっちはとても良い娘なのだが……
「お、お姉ちゃん…あまりカズキ君に突っかかっちゃダメだよ……」
大人しそうな白のロングヘアーの娘がナギを宥めている、ちなみにカズキとは俺の名前だ。
宥めている少女の名はマイ、この世界ではかなり名の知れた少女だ。
「いや、俺も悪かったよ。遅れたのも事実だしさ。」
「そうよ!元はと言えばカズキが遅れたのが悪いんじゃない!さっさと帰るわよ。」
そう言い1人で先に言ってしまうナギ。
「ごめんねカズキ君、お姉ちゃん素直じゃないから……」
「いや、大丈夫だよ。それより行こう、じゃなきゃまたナギに何か言われるしさ。」
その後、俺達は小さな談笑をしながら家へと帰る。
余談ではあるが、俺とナギ、マイの姉妹は隣同士の家に住んでいるのだが、なぜか2人はよく俺の家に遊びに来てそのまま夕飯も食べていく、まあそれも日常となっているので今さら特にどうこう言う事でも無いのだが……
それから20分程経っただろう。
夕飯は案の定ナギ、マイの姉妹と3人で食べることになった。
「でも、もう2ヶ月になるのよね……」
ふとナギがそんな言葉を吐き出す様に呟く。
そう、もう2ヶ月になるのだ。
俺達がこのネットゲーム、緋色の剣の世界に閉じ込められてから………
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