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都は赤い毛長の絨毯の上を歩きながら、据わった目で近くに2人がいないかと探していた。
「子供じゃあるまいし、なんで2人ともどっか行っちゃうの……っ!」
と言いつつ自分も迷子。
2人の姿がないので仕方なく都は他の部屋を探すことにした。
西洋の甲冑や剣などが展示されている部屋に入ってビシリと固まった。
(ナニしてんのあの子。)
探していた内の1人--長い黒髪の美少女は、展示品である黒い甲冑にさわさわべたべたと舐めまわさんばかりに触りまくっていた。
この美術館のセキュリティがどうなっているのかは知らないが、盗難防止用のアラームが鳴る気配は無い。
しかし仮にも美術館の展示品に触っていいわけがない。
「ちょっとカナ!
展示品に触ったらダメでしょ!?」
……お母さん口調になっている事に気付いてなかったりする。
かなえと呼ばれた少女は、都のほうを振り返った。
恐ろしいほどの無表情で。
めっちゃキラキラしていた。
どうやらそこの黒い甲冑を気に入ったらしい。
……気に入り過ぎの感もあるが……。
かなえは怒っている都を見て、怒られている理由がわからずカクンと首を傾げた。
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