半年ぶりの地元

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この街を逃げ出すようにして去った僕には、帰郷してリラックスする資格はないのかもしれない。 そう考えて、自分が街を出た明確な理由などなかった事を今更ながらに思い出した。 僕はなぜこの風景を捨てたのだろう、そして、なぜ憎まなければならないと思うのだろう。 「お前は過去を否定する事でしか、現在の価値を感じられない人間だからだ」と誰かが呟いた気がした。
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