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うん、全然大丈夫だよ。どうしたの、僕に電話なんて珍しい。
うん、じいさんをな、と父親は言った。
かすかに嫌な予感がした。
「おじいちゃん」
「そう。じいさんをな」
「うん」
父親は何かに抗っているような声で話す。
頼りないが、まだギリギリ何かを保っているといった話し方。
しかしそれは、ほんの小さなきっかけで決壊してしまう気がする。
僕はそれを想像して嫌な気分になったのだろうか。
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