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その声に恐る恐る口を開いたのは『優(ゆう)』だった。
「でも…兄ちゃんの友達があの森でクワガタ二十匹捕まえたって…っ」
(それ完全にからかわれてんじゃんか…)
瑛人は一人心の中で、気が弱く何にでも騙されやすい優に突っ込んだ。
「んなこと言ったって一匹も居なかったじゃんかよー!!」
大雅は喚くように上空へ叫んだ。
「だ…だって…っ」
虫捕りに行こうと自分から誘った優は言い返すことが出来ず、涙目になって俯いた。
(……はぁ)
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