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段々歩くに連れて、近付いてくる陽菜の家。今日に限ってこんなに早く着くなんて。陽菜は仕方なく諦めた。明日会えるし、なんて思って。
家までの道をゆっくりゆっくり歩く。ゆっくりゆっくり・・・。そしたら、目の前になんだかちっちゃい人影が見えて。その人影は陽菜がずっと逢いたかった人で。
「ゆ、優子・・・・」
目の前に立ってたのは優子だった。こんな時間にこんなとこで何してるんだろう。陽菜はちょっと悲しくなった。
だけど、優子はちょっとだけ笑った。
「こじぱの家に行ったけど、いなかった」
そう言って。陽菜もちょっとだけ笑った。
「陽菜も優子の家に行ってたの。」
きっとね、今ここで彦星と織姫みたいに会えたのは奇跡だって思うんだよね。
だって、ただの道端なのにあなたと会えるなんて偶然なんかじゃないでしょ?
「ねぇ、優子。陽菜、短冊にちゃんと願い事かいたよ。」
優子は首を傾げて「なんて?」って陽菜にきいた。陽菜はちょっと黙って、この綺麗な星空を眺めた。そして、大きく空気を吸い込んだ。
ねぇ、優子。叶うといいな。
―――「優子が陽菜のこと、もっと好きになりますように。」
end...
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