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ILOVEYOUが、言えなくて。
ILOVEYOUさえ、言えなくて。
あたしはきっとあなたに伝えることなんてこの先ずっとできないね。
――――ILOVEYOU
学校で目立たないあたしは、今日も校舎の端にあるこの図書室に足を運ぶ。
別に友達なんか、彼氏なんか・・・そういう考えをもつあたしの唯一の心の癒しがこの図書室で。
まあ、単なる逃げ道なのかもしれないけど。
また変わらない日常をここで過ごす。昼休み校舎端の図書室にて。
誰もいないこの静かな空間はあたしにとってはかなりお気に入り。なのに、
誰もいない静かさがお気に入りなのに
「なんで、今日も来てるんですか?」
「えっ、さささ指原に言ってんの?」
「他に誰がいるんですか。」
ハァと小さくため息をついて、この酷くボロボロな図書室を見渡した。
こんな図書室だから、幽霊が出るって噂もあって皆近付かないのだけど。
また、今日も指原先輩はここにきている。
指原先輩は学校一ヘタレで有名で。なのに、何故か意外に人気者で。
そんな先輩が何故かこんな場所にいる。
ここ最近、ずっと。
「なんでって?んー恋の悩みかな。」
「あの、ここ悩み相談室とかじゃないんですけど。」
「んっ?そうだっけ。まあいいじゃん」
ホントにお調子者で。だけど、なんだか許せて。それが多分、指原先輩の魅力なのだろうけど。
それにはまっていくあたしは、きっとバカなのだろうけど。
どうすれば忘れられるのかも分かんなくて。指原先輩の笑顔とか優しさとか意地悪なとことか、余計に好きになっていく気がする。あたしだけに見せてほしいなんて、そんなこと考えてしまう。
好きという気持ちも分からないのにさ。
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