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「・・・奈、・・衣奈。」比衣奈は自分を呼ぶ声に、気付き眼を開けた。
「あなたは・・・??」
少し混乱している比衣奈に、声の主は
「我が使いを助けてもらったこと、礼を言う。我が名は、龍骨。我が使い“黒牙”を救うてくれし礼に、お主を生き返らせよう。」
龍骨と名乗った人物は声高らかにいった。
「いえ、生き返らせなくていいです。」
無表情のまま言う。
それを見た龍骨は、
「それならば、お主“生きる”と言う事を学んでくるがよい。」
そういうと、黒牙に耳うちをした。黒牙も「ニャア」と、一鳴きした後比衣奈の足元へやってきた。
「しかし、このままあの場に送るには危険じゃ。・・・・
そうじゃ、御言葉使いの力をくれてやる。うむ、これで安心じゃ。」
比衣奈は、龍骨の言っていることの意味がなかなかつかめず戸惑っていたが、
「では、行ってこい。」
龍骨に笑顔で送り出されてしまったのであった。
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