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「また、話が急だね優ちゃん。前に好きな人はいないって言ったろ?」
「そうだけどさ。今日の心と掛布さん見てると、なんとなくそんな気もしないでもなくてさ」
なるほど、ただカメラマンに徹してたわけじゃないってことか。
フランちゃんは美少女だ。そして俺は女の子大好きなモテない高二男子だ。
一緒にいてドキドキしないわけがない。
そしてこの気持ちが恋かどうかなんて、判断するにはまだ早すぎる。
「俺は……」
口を開き出した俺の肩を、誰かが叩いた。
「よ、お待たせ、お二人さん!」
誰かなんていうまでもなくフランちゃんだったけど。
良かった。曖昧な答えを、今はとりあえず保留にできそうだ。
そのまま三人で動物園を出て、とりあえず駅まで歩いた。
「そ、それじゃ、これからご飯でも行く?」
驚くことに、言い出したのは優。
早速積極的だ。やればできるじゃん。
「あ、ごめん、今日は家族で食べに行く約束なんだー。だから残念ながら私はここまでです。ごめんね?」
頭を下げ、上目遣いで手を合わせるフランちゃん。
こんな謝り方されたらありがたすぎて逆にこっちが申し訳なくなる。
「そんな謝んなくてもいいよ。んじゃ、今日は解散にしようか?正直俺もここんとこ遊び過ぎて金欠だし」
「うん、なら、仕方ないね」
残念だったな優。だがお前にはまだ明日があるさ。
「一組も明日、学園祭の準備するんだっけ?」
確かそんなことを、フランちゃんが言ってた気がする。
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