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「そうだよー?もしかして心くんのクラスも?」
「うん、明日から準備始めるってさ。だから、多分また明日ってことで」
「あ、ちゃんと宿題忘れないでよっ?」
「はは、わかってますよ」
「坂井くんも、明日はちゃんと来てよね?今まで補習で行けなかった私の言うことじゃないかもしれないけど」
「任せてよ、絶対行くからさ」
明日からは八月。
いよいよ夏休み本番。
夏休みが明ければすぐに学園祭。
つまり、学園祭の準備が一番盛り上がるのはこの時期だ。
何かが起こるかもしれない学園祭が、明日から始まるといっても間違いではない。
明日からのことを考えて躍りだす心を一人胸に秘め、帰りの電車へと乗り込んだ。
「じゃあな、優。明日はサボるなよ?」
「じゃあね、坂井くん。また明日」
「うん、また明日」
乗り換えの必要がない優だけを電車内に残し、俺とフランちゃんは電車を降りた。
電車の扉が閉まる間際、俺を羨ましそうに見る優の目は、気付かなかったことにした。
「今日は楽しかったね~。誘ってくれてありがとう、心くん」
次の電車を待つまでの間、フランちゃんと話し込む態勢に入った。
実は同じ方面だったらしい。
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