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「じゃあ何故、俺はモテないんですか!?持ち前の身体能力で体力テストは三位。期末だって、頭おかしくなるくらい勉強して遂に一位になったんですよ!?廊下に貼り出されて話題になったでしょう!何故モテないんですか!?」
高校生になってから俺は、部活にも入らず毎日勉強し続け、マグレかもしれないけど今回の期末テストで学年一位まで登り詰めた。
「これ以上、何を頑張ればいいんですか!?」
「いやぁ、だって心は心だし。急に成績上がったって、急にモテはしないだろ」
確かに、高橋の言うことも一理ある。
じゃあやっぱ俺に足りないものとしては、
「金か!?家柄か!?つまり親が悪いってのか!生まれながらにして俺がモテないことは決まってたのか!?」
「あ、顔っていう答えはないんだ」
「てかさ、心くんや」
先のない運命を嘆き絶望する俺に、高橋は諭すように声を掛けた。
「毎日毎日暇さえあれば勉強ばっかしてるから、女の子と話す機会がなかったんじゃないの?話したこともないのに好かれる程イケメンって訳でもないんだし」
その瞬間、俺の頭蓋骨に稲妻が走った。
「そうか、そうだったのかぁ!そういや俺、二年になってから女子と話した記憶……ない」
「いや、今気付いたのかよ」
「心て、やることがなんかズレてるよな」
「彼女欲しいなら、真っ先に女子のメアド狙いに行くでしょ普通」
そ、そうか。
俺は、なんて回りくどいことをしていたんだ。
女子にモテるには、自分を磨くだけでは駄目だったなんて。
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